柑菜はそう言うと、自分の席へと戻って行った。




"……逢いたいのに逢えないのって、すごく辛いことなんだね"


ふと柑菜の言葉を思い出す。




……確かに、そうかもしれないなあ。


私だって、奏多に逢いたくても逢えなかった時があるから。




だから逢いたくても逢えない時の辛さと寂しさは、私はよく分かってるつもりだよ。