「さっ、行きましょうか。"彼女"さん」


紫音君はそこだけを強調してそう言った。




「……うん」


なによ。……その嫌味ったらしい言い方は。




私たちは"恋人のフリ"をして学校へと向かった。


紫音君の彼女のフリするのって、けっこう大変なんだよねーっ……。




……でも時々、不安になる。