……私、知らなかった。

奏多が、そんなこと思ってたなんて……。




「……兄貴が女のことであんなに悩むなんて、思ってもなかったな」


紫音君の言葉に、私はえ?と首を傾げた。




「……兄貴、ああ見えても結構マジメだからさ、彼女作るなんて今までないと思ってたんだ。……ましてや、"結婚"するとかも」