「…………」


私はなにも言えなくなった。




「……お前は親父さんの気持ちを絶対にムダにしちゃダメだ。親父さんはお前が幸せになることで、今までの苦労が報われる。父親としての役目が果たされる。だからお前は幸せになるんだ。……いや、幸せにならなくちゃダメなんだよ」


奏多はそう言って、私の両肩をガシッと掴んだ。