梢は親父さんのことを、ちゃんと考えてたんだな。


親父さんのことを誰よりも一番に思っていたのは、梢かもしれない。




「……はあ」


なにやってんだろう、俺。




梢の気持ちすら、まともに分かってあげられないなんて……。


これじゃあ、旦那として失格だ。




「……ごめん」


眠ってる梢の手をギュッと握る。