「……うん。行ってらっしゃい」


奏多の手をギュッと握る。




「……大丈夫」


奏多は私の頭を撫でた。



「……うん」


静かに頷いた。




ちゅっ


頷いた私に、奏多はそっとキスを落としてから家を出て行った。




奏多が家を出たあと、私は奏多が帰って来るのをずっと待っていた。