「これから、少しずつお互いのことを知っていこうな」


「……うん」




奏多の言葉に、私は静かに頷いた。




「さっ、食べよう」


「うん」




だけど……幸せで居られたのはこの時までだった。


私たちの結婚生活が、この時からどんどんすれ違って行くなんてこと……今の私たちには分かるハズもなかった。