「え、違うの?絵のモデルってそういうもんだと思ってた」

「違う違うっ!そのままでいいから」

何でそんな誤解!?

おとなしく座ってくれた彼を、私はキャンバスに写し取っていく。

―――自由にしてくれてていいから―――

そう言ったら本当に自由にしてくれた。

話しかけてくれたし。そんなに堅くもならなかった。

いつもより近くで見る彼に、自然と私の手も動いて絵がすらすら描かれてく。