好き……?

誰が……。何を……?

「何…言って……」

「アズサ卒業おめでとう。でも……、俺からは卒業すんなよ?」

そういう彼の瞳は真剣で。

冗談なんて言ってるようには見えなくて。

何でか分かんないけど。よく分かんないけど。涙が出た。

頬を伝う私の涙を隠すみたいに、黒髪の……アイハラソウタが私を抱き寄せる。

「もっと俺の絵描いてよ」

私の気持ちは全部絵になってく。

私の想いは全部絵に描かれてく。

言葉にならないから。

きっと私のアイハラソウタへの想いも言葉にはできないから、たくさん絵に描くと思う。

それでも……、それでも。

「…いいの…?」