一番聞きたかった、一番会いたかった人物の声。

飛び出しそうなほど高鳴る心臓に、本当重症だと思う。

嬉しいけど……恐い。

もう、私のことなんて呆れたでしょ?

なんで今更。

何言いに来たの……?

「何」

この気持ちに気付かれないように素っ気なく返事したら、腕を掴まれて人気の少ない校舎の陰に連れてかれた。

「何?」

「ん?アズサのボタンでも貰おうかと思って」

目の前には、そう言って無邪気に笑う彼。

「何で……?」

ふざけてんの?

私をからかって遊んでんの?

「何でって……。好きだからに決まってんだろ」

無邪気な笑顔からのぞく、真剣な瞳。