気がつけば卒業式当日。

結局、アイハラソウタを見かけることはなかった。

もうすぐ…終わるんだ。全部……。


いつの間に終わったのか、手には卒業証書。

……あんまり式の記憶がない…。

周りには泣いたり笑ったりしながらいろんな人と話してる生徒たち。

「アズサ先輩っ!」

駆け寄ってきたのは1人の男子。

「何」

「先輩っ、卒業おめでとうございます!あのっ…初めて見たときから…、そのっ……好きでした!!」

「ごめん」

またか……。

今日何度目かの告白。

今日はこれ以外にも何回か同じようなことを言われたような気がする。

「アズサっ!」

そう思った直後。