モヤモヤする。

頭の中が。心の中が。

何でか分からないけど泣きたくなる。

絵を描いてれば、少しは忘れられるのに。楽になるのに。

腕が痙攣をおこしてて、思うように動かせない。

……流石に左手まで動かなくなったら困る………。


それから始業式までの間、ちゃんと食事は取ってた……と思う。

睡眠もしっかり取ってた……気がする。

母さんたちとも話した……記憶もうっすらとある。

多少は良くなった右手を調子に乗って使いすぎた所為か、さらに悪化した。

部屋には、絵が散乱したまま。

右手には包帯。

久しぶりの制服を身につけての始業式の日。

その日学校で黒髪の彼を見かけることはなかった。