初めのほうは景色とか空とかを描いてた気もするけど、今はホントにキャンバスを色で埋めてるだけ。

キャンバスを真っ黒にしてみたり、全部の色を点々と置いてみたり。

私の部屋の中は大量の絵が散乱したまま放置されてる。

「っ…!」

いきなり。

筆を持ってる右手に激痛が走って、筆が足元に落ちた。

足の踏み場が本当にない、キャンバスやら紙やらで埋め尽くされてるそこに、私は倒れこんだ。

服が汚れるのも気にしない。

「ハァ、ハァ……」

バカみたい……。

話しかけなければよかった。

絵なんて描かなければ良かった。

ずっと見ているだけにしておけばよかった。

最初から分かってたことなのに……

何でこんなに苦しくなるの?