その後はいつものように一日を過ごした。


ついにやってきた、放課後。

私は鞄を置いたまま教室を出た。

向かうのはバスケットコート。

そこに黒髪の彼を発見した。

今来たばかりの、笑顔の彼を。

私は彼に近づいて。

「ねぇ、絵のモデルになってくれない?」

話しかけた。

「は……?モデル?」

「そう。少しだけでいいの、時間もらえない??」

「あー…、うん。いいよ」

一瞬迷ってから笑顔で了承してくれた彼。

名前も知らないけど、別にそんなことはどうでも良かった。

その一言に安心した私に彼は笑いかけてくれた。

「あ、ちょっと待ってて」

彼はバスケットコートのおくに向かって走って行った。