筆をおいて初めてその空間の静けさに気付いた。

夢中になりすぎてて気付かなかったけど、いつのまにか静寂が包んでた美術室。

…………なんでこんなにシラけてんの?

「…アズサ…、すごいな…」

沈黙を破ったのはアイハラソウタ。

まだ囲まれたまま、顔だけ出して呟いてた。

「そう?」

そんなにすごくないと思うけど。

笑いかけたら彼の頭はすぐに引っ込んだ。

…ていうか、囲んでた2年の男子達に引っ張られた。

「おい……えっ………何……」

「は……うわっ…ちょ…」

「……う……よ!」

何か言ってるみたいだけど、ここからじゃ声が小さくて何言ってんのかよく分かんない。

ところどころ叫び声みたいなのは聞こえるけど。