「ごめん。ちょっと待ってて」

一応扉のほうに向かって声は掛けたけど、多分彼は気付いてないと思う。

5、6人の部員たちに囲まれてたから。


ほとんど完成してる絵。


絵具を出して、制服を乱して。

最後に腕をまくって筆をとる。

真っ白な絵具の付いた大小さまざまな筆。

その筆を全部手にとって、無造作にキャンバスの上をなぞってく。

今まで光のなかった絵に、眩しいほどの光が浮かび上がる。

私の光の入れ方は独特らしい。




………こんなモンかなぁ…。