円になるように固まってる美術部員たちの中心には、

私の描いた黒髪の彼。

「あっ、ヒナサワ先輩!!」

誰の声か分かんなかったけど、その誰かの一声でその場にいた全員がこっちを見た。

顧問の先生も含めて。

「ヒナサワさん。相変わらず凄いわね」

今までに何度か聞いたことのある先生の感嘆の声。

「でも先輩が人物描くのって珍しいですよね~」

「まぁ、ね。たまにはいいでしょ」

「もう完成してるんですか?」

「まだ。あと少しだけ」

私がその質問に答えると、集まっていた美術部員たちが私の描いた絵に向かって道を空けた。

………続きを描けと?

「ハァ…」

溜息をついて目を輝かせてる部員たちの中心に向かう。

先生まで一緒になられたらやるしかない。