いつの間にか図書館の目の前。

彼の黒い髪が風になびく。

ドキドキなんて胸の高鳴りは、ない。

でも目が離せない。

ずっと見ていたくなる。

二人の時間が嬉しい。


恋愛なんてまともにしたこと無かったから良く分かんないけど、私は目の前にいるアイハラソウタが好きらしい。

「ここまででいいよ。すぐそこだし」

「ん。じゃぁまた明日!」

小さな子供みたいな無邪気な笑顔。


また明日…ね。

明日は本当の本当に絵が完成する。

明日で学校が終わる。

私の思い出。

本当は思い出なんて別にいらなかったんだけど、ちょっとした私の我儘。