私の横に来て絵を覗き込んだ彼は、固まった。

………無反応?

「……すげぇ~!!これ俺!?」

彼――――――アイハラソウタの目の前で手を振ってみるといきなり叫びだした。

「…見えない?」

「見える!あん…、アズサってすごいな!」

別にあんたでいいのに……

てかそんなにすごくないし。

デッサンするくらい誰でも出来るでしょ。

「俺明日も来るから!」

「え?」

もう大丈夫なんだけど。

「邪魔じゃないなら……見てたいんだけど…」

見たいんだ……

そんなにかしこまらなくても…。

嬉しいし。

これでも私喜んでるんだよ?

「いいよ。部活頑張ってね」




―――黒髪の彼と過ごす時間は増えていく――――…

―――卒業までの日数は減っていく―――――――――…