「知ってたんだ…。ならあんたとか駄目じゃね?名前は?」

「ヒナサワ アズサ。別に今までどおりでいいよ」

そういえばお互い名前知らなかったんだ…。

「アズサ…先輩な。俺アイハラ ソウタ」

アイハラソウタ

そんな名前だったんだ。

「別に先輩つけなくていいよ」

正直呼び方とかどうでもいいし。

「……ん。じゃあアズサって呼ぶな!」

私の名前を呼びながら無邪気な笑顔を見せる彼に、心臓が高鳴った。


「そろそろ時間じゃない?」

「ん~。もうちょっとなら平気」

「もう下書きほとんど終わったし大丈夫だよ」

あとは色をつけるだけ。

「えっ!?もうそんな出来てんの?見ていい!?」

「別にいいよ」

まだ下書きだけだけど。