ぎゃいぎゃいと騒ぎあう2人の間に割って入ったのは、5人の中で1番背が高い男の子、豊(ゆたか)。
「2人とも、喧嘩はダメだよ。仲がいいのはわかったけど」
「「仲良くない!!!」」
間髪入れずに入った否定の言葉に、笹丸も豊も笑ってしまった。
2人は、まだにらみ合いを続けている。
そんな中に、ゆっくりとやって来る1人の少年がいた。
「みんな、何話してるの?」
小さな身体に、丸くて大きな目。
形のいい桃色の唇。
その幼さも加えて、傍から見ると少女のようにも見える彼の名は、染(せん)。
引っ越してきたとかで、もとから仲の良かった4人の中に最近混ざり始めた。


