気まぐれ妖怪談もどき




染は背伸びをしながら、


「みんな怖がってくれたし、予想外にいいものも見れちゃったし」


「どういうこと?」

これには豊もきょとんとしている。

染が眩しいぐらいの笑顔で、


「枕返しは、俺の仕業だよ」


辺りの空気が、ひやっと静まり返る。

笹丸が膝を震わせながら、


「ま、まさか染兄ちゃんが枕返し!?」

「うん、そうだよ」


さらりと嘘をつこうとする染に、豊がすかさず訂正を入れる。




「違うって。要するに、染がいたずらしてたんだろ?」

「あったりー」


染は口笛を吹いてご機嫌な様子だ。