気まぐれ妖怪談もどき




「うわぁぁ!!?」


朝早く雀の鳴く頃、そんな草太の声で4人は起き上がった。

「何よ、草太…」


むにゃむにゃと滑舌悪くそう言った鶫は、次の瞬間言葉をなくした。

笹丸が歯をガチガチ言わせながら、


「そ、草太兄ちゃん、その枕…」


草太の枕はいつの間にか足側に置いてあった。


昨晩は頭の下にあったのに、どうして。

5人の脳裏をよぎったのは、ただあの一言。






― 今夜、やって来るかもよ。