夏になっても適度に涼しいこの村で、今日も仲良し5人組は騒いでいた。



「なぁなぁ、怪談やろーぜ、怪談!」


5人の中でも1番大きな声をあげたのは、年長なのに細くてちびっこい草太という少年。


「えー、俺やだよ…」


ぼそぼそと小さな声で反論したのは最年少で草太の弟、笹丸。


「またそうやって草太は悪ノリするんだから!」


腰に両手を当てて頬をふくらませているのは、5人組の中で唯一の女の子、鶫(つぐみ)。

鶫が草太の頭をぺしっと叩くと、草太が迫力の無い目で鶫を睨みつけた。


「なんだよ、鶫!お前だってやりたいだろ?
あ、もしかして怖いのか!?」


「な…っ、そんなわけないでしょー!?」