玲ちゃんはあたしを引きずるように保健室へと連れ込んだ。
ガラガラ
「あら…保健の先生いないみたい。」
「……どうしたの?」
一人の人が奥の方から出てきた。
でも先生じゃなくて学生
「あっ…すみません。この子怪我やら熱やらがあって」
と玲ちゃんはあたしをソファへと座らせその人に説明した。
「…先生いないんですか?」
玲ちゃんが話かけた学生の方へと目をやると
ふいに目があった
ドキー…
よく見るとかなり整った顔立ち…
…王子様?
「そうなんだよね。だから俺がお留守番……。」
「保健委員かなにかですか?」
「まーそんな感じかな?。」
と言うとその人はあたしに微笑みかけた。
「……おいで、俺が応急手当くらいしてあげるから」
とふんわりとあたしの手をとる。
「ちょっ!」
「大丈夫だよ。心配しないで。俺が責任持ってこの子寝かせとくから…次の授業終わったら迎えにおいで?。」
ほんと…エスコートが上手な王子様みたい…。
「すみません…じゃあお願いします。」
ガラガラ
シンと静まりかえる保健室
ガチャガチャと棚をあさり、あたしの方へと近寄ってきた。
「擦り傷いっぱいだね。…ちょっと染みるけど…我慢できるよね?」
あたしは一生懸命頭を縦に振った。

