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咲重郎は、眠った。

どろりどろりと渦巻く夢の中に、半身のおしづがいた。

笑っていた。

自分も、彼女も、血塗れだった。

抱き締めた。

彼女も、寄り添って来た。

愛していた。

愛していた。

だが、


俺が、殺してしまった。


責めても、脅してもいない。

彼女の顔は、優しく笑っていた。

(あぁ、咲重郎さん……)

嗚呼、俺は…

どうして殺してしまった。

どうして自分もすぐ後を追わなかった。

どうして

置き去りにしてしまった。