「なあ、美名本当にひとりで大丈夫か?」

「……うん、大丈夫。それに、これは私ひとりでやらなくちゃいけないことだもの」

「ダイダロスがいれば何か聞けるかもしれないのだが……」

「ダイダロス?」

「ああ、このラビリントスを造った人物だ」

「ダイダロスかー。そうだよな、あいつがいればラビリントス攻略法とかって教えてくれそうなのにな」

「ありがとう、二人とも。私のこと心配してくれてるんだね。でも、ホントにいいの。じゃあ、私行くね」

そう決心して美名はラビリントスの中へと足を踏み入れた。



その迷宮に、入った瞬間から何か異様なものを感じていた。

それを一言で表現するとすれば、死の世界。

太陽は本当の死の世界に向かったはずだが、ここにも不吉な雰囲気が染み付いているようだった。

「確か、迷路って壁にずっと手をつけたまま進めば出口に出られるんじゃなかったっけ?」