残された少年は、その場にしばらく立ち尽くしていた。

少年の中にはまだ整理されてない記憶が大量にあった。

しかし、それが本当に自分が経験したことなのかそれとも単なる夢の中の出来事なのかわからなかった。

自分が持つこの記憶は、少女にはないものだということはなんとなくわかった。

もう一人の少年の中にはきっと自分とは違う記憶があるだろうとも思った。

ただひとつだけ言える確かなことは、昨日までの自分たちと今日の自分たち、そして明日からの自分たちはひとつに繋がっているということ。

少年にはそれで十分だった。

そして、少年も帰路に着いた。


【パレルソン・アラギ(過去・変化)・完】

【トリゴニコス・ミソス】完