黒髪の少年は、金髪の少年の真意を測りかねていた。

「僕たちがずっと一緒にいられるっていう保証はないでしょ? 

もしかしたら僕たちばらばらになっちゃうことがあるかもしれない。

僕か太陽、どっちかが急にいなくなったらそんな義理は意味を成さなくなると思うんだ」

「イデア、お前……」

黒髪の少年は何か言おうとした。

しかし、その前に、少女が目を覚ます気配がした。

二人の少年は、あわてて再び眠った振りをした。

「う……うん」

目を覚ました少女は、しばらく自分がどこにいるのかがわからなかった。

起き上がろうとして、自分の両手が何かを掴んでいるのに気がついた。

両脇には仲良しの少年が二人。

やっと、少女は自分の今の状況を把握することができた。

「太陽君、イデア君、起きて」

少女は、二人の少年をそっと叩いて起こした。

少年たちは、さも今まで眠っていたかのような演技をした。

はたから見ればばればれのその演技も少女には通用した。