ゼウスは前に会ったときと同じように、玉座に優雅に腰掛けていた。

「プロメテウスから詳しいことは聞いている。それで、君たちが助けたかった友というのは、その少年のことかね?」

ゼウスは、イデアから目を離すことなく太陽たちに話しかけた。

その目は全てを見透かすようでわけもなく二人を不安にさせた。

「ああ。こいつは俺たちの幼馴染で俺たちはこいつの行方を追ってここまで来たんだ。

いろいろあったけどプロメテウス始めヘルメス、パン、アポロンそしてゼウスあんたの力を借りて助け出すことができた。

それには感謝している」

「本当です。私たち皆さんには本当に感謝しているんです。

私たちにできるのは、感謝の意を述べることしかできません。

その上身勝手なお願いだとは、わかっています。

それでも、あえて言わせてください。

後は三人で帰るだけなんです。

お願いですゼウス様。

私たちを元の世界へと帰してください」

ゼウスはやっとイデアから目を離すと、興味深げに太陽と美名を見た。