太陽は美名に近づいてそっと抱きしめると、耳元で帰還の言葉をささやいた。

「ただいま、美名。待たせてごめんな」

「太陽……。もう、心配したんだから。

太陽は絶対私より早く帰ってきてると思ったのに、私が戻ってきたときにはまだいなくて……。

それに、みんなから太陽が向かった冥界がすごく危険なところだって聞いて、

いてもたってもいられなくて、

すぐにでも太陽のところに向かおうとしたらみんなに止められちゃうし……。

太陽が戻ってくるまでの時間が永遠に終わらないんじゃないかと思ったらすごく怖くて……」

「ごめんごめん。大丈夫、俺はこうして戻ってこれたから。

もう、何も心配することはないよ。

それから、美名には御礼を言わなくちゃな」

「えっ?」

「美名のおかげで戻ってくることができたから。

向こうにいる間、何度美名に助けられたかわからない。

だから、ありがとな」