「…君、表情が堅い。」

「すみません!」

頭を下げたらまたカメラマンさんが撮りだした


「瞳甘くしてみて。そう、視線を絡めて。」

初めてモデルって感じだった。いつもはワイワイと自分の好きなポーズをしてたから、新鮮だった。
指示されるのって難しいんだな。その人の思う通りに演じるのって。


「そう、手を取って。晴輝くんも瞳甘くして。」

晴輝さんは凄かった。
カメラマンさんの言う事全てを的確に表現する。いつもの顔はどこへやら、いまの晴輝さんには学ぶ事が多過ぎると思った。

緊張してたけど、途中からは編集さんも顎に手をやり頷きながら見ていて少し安心。


「じゃあ今度は四コマにするから動きを入れるよ。」

「はい。」

カメラマンさんの言葉に返事をして指示を待つ。
すると編集さんが一歩前に出た。