「ありがと、花乃!」

撮り終わって花乃に駆け寄ると、花乃はニヤニヤして私を見る。

「な、何…?」

少しおどつきながら花乃を見る。
花乃は目をきらきらと輝かせて

「この写真、私も欲しい!」

としがみ付いてきた。

「え、えぇ!?」

何故!と花乃を見ると花乃は私から手を離して嬉しそうに手を組み語りだした。

「だって!
この学校のアイドルとモデルのツーショット写真だよ!?
まさに美男美女!
欲しいに決まってるじゃん!
あぁ、目の保養になる!」

きゃーっと嬉しそうに飛び跳ねる花乃。
私はそのマシンガントークに目が点状態だった。

「ね、良い!?」

またしがみ付いてきた花乃。
亜綺羅くんに視線で助けを求めると困ったように笑った。


「写真撮ってくれて有難う、高橋さん。
この写真は僕も大事にしたいから、門外不出だよ?」

「きゃああ!やったぁ!
一番高くて大きい額縁に大きくしてはりつけよっと!」

嬉しいー!と言って駆け回る花乃。

私は呆れて物も言えなかった。


すると先生が私の前にニュッとあらわれた。

「ど、どうかしました…?」

首を傾げると先生はにぃっと笑った。

「俺も、欲しいなぁ。」

……………

「先生のバカーーー!!!」

顔を真っ赤にして叫んだ私。
皆、面白そうに笑った。



楽しい一年に、クラスに、
高校生活になりそう――…!