「魁…?」
魁は立ち上がってキッと晴輝さんを睨んだ。
「俺だって何度も考えた。上からだって何度も言われた。だが…
光は普通の恋がしたいんだ!人気になったら、デートでも人目を気にしないといけなくなる!彼氏とのデートは光の憧れなんだ!
人前じゃ手も繋げない、人前に行くなら変装しなくちゃならない!
…っhikariは、今のままで良い。本当の恋なら俺はhikariを…光を手放す。消毒なんてしない。自由に恋してほしいんだ…!」
魁はバッとその場にしゃがみこんで目を両手で押さえた。
…そんな事まで、考えてくれてたんだ。
私の事を一番に考えてくれてたんだ。
…私のお喋りを、全部聞いて、覚えてくれてたんだ。
「魁ぃ…っ!」
ボロボロと涙が溢れてくる。
私の我儘で、苦しめたね。上の人にたまに呼び出されてたのも、それだったのかも知れないね。
「ごめん…ごめんなさい…っ!」

