小さい頃は、年老いた両親が恥ずかしかった。


参観日や親子遠足では、うちの両親が一番老けていたし、時には、「小春ちゃんのおばあちゃんですか?」なんて言われたりして、すごく、すごく悲しかった。


だから、私は絶対、若いママになるんだって、いつも思ってた。


子供とお揃いのお洋服を着て、運動会では、どのママたちよりも速く走って、参観日では、「あのママ、誰のママ?若い!」なんて、注目を浴びる。


そんなママになるのが、私の夢だったはずなのに…。


夢は叶ったはずなのに…。


どうして、私は、心の底から幸せだと感じることができないのだろう?


ヒヨリを背負った背中は、ポカポカと暖かい。


幸福の証しだと信じて疑わなかったこの温もりに、私は最近違和感を覚え始めている。