「ひぃたん、ダンス上手だねぇ〜」


座ったまま、体を左右に揺らすヒヨリを抱きしめる。


ヒヨリの体は汗でしっとりと湿っていて、甘酸っぱい匂いがする。


赤ちゃんは体温が高い。それに、ものすごく柔らかくて、体のパーツ一つ一つが、オモチャのように小さい。


けれど、日々成長するヒヨリは、確かに生きている。


私を頼りに…。


だから、私は迷ったりしている暇なんかない。


まして、自分自身の選択を後悔するだなんて…。

私は、もう一度強くヒヨリを抱きしめた。


この子の体温が、息づかいが、私を導いてくれる。


私の進むべき未来は、いつだって、この子のそばにある。