小春日和

丸二日、苦しんで、私はヒヨリを産んだ。


普通分娩から、無痛分娩に切り替えて、それでもヒヨリは出てこなくて、意識朦朧とし始めたころ、先生が帝王切開に踏み切った。


薄れゆく意識の中でも、「切るのは嫌だ」って、抵抗した。でも、先生は、このままじゃ、母子ともに危険だと…。


やっぱり、体に傷が残るのは嫌だった。




帝王切開は、産んでからも苦しい。


麻酔が切れると、傷はジクジク痛んで、夜も眠れない。トイレに行くために、少しの距離を歩くのも辛かった。


でも、あの時苦しい思いをしたから、私は強くなれた気がする。


だからこれは、私の勲章であり、ママにった証。


太いみみずのような傷跡を、そっと指で撫でてみる。


とっくに癒えたはずの傷が、ズキンと波打った。