「…初陣……か」


春鈴が自室に去り、一人残された漣犀は呟いた。

あいつが語った初陣の話。

どんなに戦争が悍ましいか、なんて端から知っている。

だからこそ、自分は戦おう。春鈴と共に戦う。それが、自分を殺すことになろうとも。

戦うか、逃げるか。物事は究極として常に二択だ。例え孤児を作ろうと、未来に彼らを作らない様に。それは現在を棄てると言うことなのかもしれないが、自分は王ではない。ならば、戦う。戦って、平和な未来をこの手に勝ち取る。それだけの事だ。