「お前は、戦が恐ろしいか」

恐らく勘の良い彼には分かっていたのだろう。一瞬、漣犀の表情が変わる。

「……人を殺すのは恐ろしいです。ですがその戦の先に有るものが平和なら、俺は躊躇い無く剣を振ります」

意志の強いその表情は、たった三年前迄自分を売って生きていた少年のものとは思えなかった。

「お前も来るか。初陣だ」

漣犀はゆっくりと、しかし毅然として首を縦に振った。



「はい!」