名前を呼ばれた瞬間その驚くほどの優しい声色にドキッとしてしまった そして「またここに来てくれるか」と言われて思わず頷いてしまっていた 「吟珥」と名乗った顔は嬉しそうに微笑み長い銀髪を揺らす 吟珥が「じゃあまた」と言った足元では李紅と呼ばれた少年がじっと上目遣いで伺うように私を見上げている 「李紅君もまたね」 手を振るとパッと笑顔になり 「また遊びに来てくださいね」 と大きく手を振ってくれた