真っ先に思ったのが、朝食と昼食をロードに抜かれちまう。という食事面の心配。


規則正しい生活を心がけてか、朝食は六時、昼食は十二時。寝過ごしたものは食事抜きという恐ろしいルールがこの屋敷にあった。


「くそー」


一時まで寝てたと知られたら、晩飯まで抜きになるとクロスは身支度を整えた。


とはいっても、数分もしない着替え。


最後に鏡の前に立って、軽く髪を手ぐしするので終わるのだが。


「な……、お、おおっ」


声をあげて、彼は感動した。ひたすらに鏡――鏡に映った頭に何もないことを確認して。


「…………………、あれ」


何してんだ、俺。と感動していた気持ちが、一気になくなった。