「イベントって……、やっぱり危ないやつとか」


「さあそこまでは。あくまでもモチーフ、出てくるキャラたちの性格まではオリジナルと同等にすることは出来ませんからねぇ。

役者が違いますから、演じる役者が。舞台がいくら同じだろうとも、役者や演出者が違えば全く同じとはいかない。

現に、私たちはこうして“自分の意志”を持ち物語を潰そうとしていますから」


確かに、と姫が言うことに頷きクロスは辺りを見た。


「イベントが必ずしも良いこととは限らず、悪いとも言い切れない。それは出てくるキャラ次第でしょうね。役割を最低限守ってくれれば――クロス?」


姫がいぶかしんだのは、クロスが止まり自分の前に立ったから。


西洋剣を抜き、犬歯をむき出しにするようにして彼は警戒をした。