取り調べ室はかなり殺風景だった。
窓から漏れる光だけが暖かかった。
警察官と1対1で話した。
さっきの警察官と違い話のわかる優しい警察官だった。
「大丈夫だよ。」
って何回も言ってくれた。
あれ?私泣かないって決めたのに……
優しい警察官にいつの間にか私は涙を流していた。
こんな感情初めて。
初めて他人に心から優しくしてもらった気がする。
今までは金とか目当てだったし…。
「私…ちゃんと反省して罪を償います」
そう言ったら警察官は優しく微笑んでくれた。
バタンっ
?
いきなりドアが開いてさっきの苦手な警察官が入ってきた。
「もう出ていいぞ」
?
私が不思議な顔をしていると警察官は
「お前の父ちゃんが金回して解決したから大丈夫だ。あっちの両親も納得しているし、まぁ…良かったな」
嘘?お金で解決しちゃったの?
私……ちゃんと償いたかったのに。
それに人の命だよ?
田中の両親も納得したの?我が子が殺されたのに……。
「おじさん…人の命ってこんなんで解決出来ちゃうの?」
なんとなく私はさっきの優しい警察官に聞いていた。
「人はそれぞれ価値観が違うんだ。命はかなり重い。ましてや一つの命がなくなったんだ。それを容易く解決する大人はおかしい価値観だ。お前…さっき俺にきいた言葉忘れんなよ。人の命は重いんだ。」
コクンって頷いた。
私はもう人殺しなんかしない。
それに命を軽くみたりなんかしない。
そう心に誓った。
「もう二度と戻ってくるなよ!警察署なんて本来来ちゃいけないんだからなー!」
そうおじさんは笑っていってくれた。
「うん。絶対こない。おじさん…ありがとう」
そう言って両親のところへ向かった。

