妖怪愛物語




その煙の中から、顔の同じ妖怪が2人出てきた。双子・・・?


「おまんら、影月の手先か?」


狐さんがそう質問すると案外あっさり答えた。


「「そうだけど?」」

と。


その2人組みは、人間なのだが、人間味をおびていない。


肌は異常なくらい白く1人は左目、もう1人は右目に包帯を巻いている。


そうして、黒い着物を身にまとい、まさに、悪・・・影の妖怪だった。



「俺は竈石」


「俺は櫂石」



『かまど』と、『オール』?


分かりやすく言うとたぶんそういう意味だと思うけど・・・


そういう道具の妖怪なのかな?


「桜、行くぞ」


行くぞって、どこに!?


「「お前が25代目の退治屋か?」」


「うえ!?」


「桜、耳を貸すな」


そう言って、狐さんはひらり、と宙を舞ったかとおもうといつの間にか私の後ろにいた。


そして、私を後ろから抱きしめる形になった。


「!?」


デリカシーないな!!とかのんきに思ってると、急に狐さんが私に話しかけてきた。