私は部屋を出て行った狐さんを、無意識に追いかけていた。




やっとのことで追いついて、そして狐さんの着物の袖をつかめた。




「・・・・桜」



「待って・・・・違う、っ・・・違うの・・・」




何をそんな必死になっているのか分からないけど、とにかくこの誤解を解きたかった。




「・・・空雅と桜がどうであろうと、ワシには関係ない」




「っ・・・・」





狐さんの痛々しい笑顔と、その台詞が私の胸に突き刺さった。