その夜、私は布団に入ってもなかなか寝付けなかった。 それは桜さんも同じだったようで、 「ねぇ」 不意に声をかけられた。 「何?」 「明日、帰っちゃうんだよね」 「そうだよ・・・」 「そっか・・・・明日・・・」 桜さんは、そういってそこから話さなくなってしまった。 何か色々思うところはあるのだろう。きっと。 私は、その後もなかなか眠れず、眠りの世界へ入っていったのはそのずっと後だった。