何も言えずに、ただ緊張している私に塩崎先生は言う。 「手作りチョコだと思ったのに。残念。今度、手作り作ってくれよ」 声が出ない。 首をたてにかくんかくんと振ってみる。 うまく動けない。 「高速教習、俺を指名するんだろ?」 「・・・・・・」 また首をぎこちなくたてに振る。 「じゃあ、まだ先生らしくしとかないとな。免許取れたら祝ってやるから、俺んち来い!ハンバーグでも作ってよ」 信じられない。 信じられない。 塩崎先生が、私を見つめてくれている。