「俺に用って?」 やられた。 HG、恐るべし。 まさか、本人を連れてくるなんて。 しかも、今教習中だと思ってた。 「ああああ、あの・・・・・・ お風邪を召されたとお聞きしまして」 妙な日本語の私に、塩崎先生は笑い出す。 「ひとり暮らしの寂しい俺に、差し入れ?」 私が持っていたお弁当箱に顔を近付けて、クンクンとにおいをかぐ。 かわいい顔。 「うまそぉ~な匂い」 にこって笑って、私の手から煮物を奪う。 「ありがたく、いただきます」