――時が経つのは早い。
数時間のライブの中で、梅亜の……要のこれからを伝える言葉はでていない。
梅亜を続けるか、普通の生活に戻るか……。
HPにはライブ内で発表すると書いてあった。
「これで、最後になる。このライブでも、梅亜も……。後でこの日の思い出が店頭に並ぶ予定だから、みんなよろしくな」
――梅亜はそう言った。
"このライブでも、梅亜も……"
これで最後になる、梅亜が。
最後だからこそ、顔を公表したのかもしれない。
「春雨-はるさめ-」
「あれ、陸ちゃん?」
マイクの音が響いたあと、懐かしい声が聴こえた。
卒業以来会っていなかった、もう1人の彼女だった。



