俺の前で、こんなにたくさんの人の前で。
「始めに一曲歌っとく」
あの日の約束を、果たすかのように
「ありがとうの気持ちを込めて……青空メロディ」
彼は歌う、感謝の歌を。
初めて聴く、要の歌声。
いや、実際にはたくさん聴いていた。
梅亜として出ているCDを買って聴いていた。
彼は何を思い、この"青空メロディ"を作ったのだろう?
やっぱり、あの日に言っていたことを実現させたのだろうか?
そうなると、俺への感謝も込められているのだろうか?
卒業式の日にリリースしたのも……そのつもりだったからなのか……。



